住宅ローン控除(減税)のシミュレーションをしてみよう!計算方法と仕組みも解説

住宅ローンを組む際に、考慮しておきたいのが住宅ローン控除。住宅ローン控除でいくら戻ってくるのかを知りたい人も多いのではないでしょうか。
今回は、住宅ローン控除の計算方法や住宅ローン控除の仕組みなどについて解説します。住宅ローンを検討している人や住宅ローン控除の申請を控えている人は、ぜひ参考にしてみてください!

住宅ローン控除(減税)の概要

①希望条件を整理しよう

住宅ローン控除(減税)とは、住宅ローンの一部を所得税から控除できる制度のことで、正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。控除の目的は、住宅購入者の負担を軽減するため。住宅ローン控除は、原則として10年間受けられることが定められており、控除額は10年間で最大400万円(長期優良住宅などは最大500万円)となっています。
住宅ローン控除を受けるには、入居した年の翌年に確定申告で手続きを行います。会社員などの給与所得者であれば、2年目以降は年末調整による手続きも可能です。
新築の住宅ローン控除の申請に必要な書類は、以下のとおりです。
- 住民票の写し
- 残高証明書
- 登記事項証明書
- 請負(売買)契約書等
- 給与等の源泉徴収票等の所得税額を確認できるもの
中古住宅の場合は、上記に加えて以下の耐震基準を満たしていることを証明するための書類のうち、1つを提出しなければなりません。
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅性能評価書
- 既存住宅売買瑕疵(かし)保険の付保証明書
住宅ローン控除(減税)の対象となる条件

住宅ローン控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。対象となる条件は、大きく分けて「対象となる人」と「対象となる住宅」です。
ここでは、それぞれの条件について解説します。
対象となる人
住宅ローン控除を受ける際、所得額がいくらなのか、ローンの借入はどのくらいの期間なのかといった、いくつかの条件を満たす必要があります。
所得金額に関しては、世帯の合計所得金額が3,000万円以下でなければなりません。ただし、控除を申請した年の所得金額が3,000万円以下であった場合でも、それ以降3,000万円を超える年があれば、住宅ローン控除の対象外となるため注意が必要です。
住宅ローンの借入期間については、原則として10年以上であることが条件とされています。そのため、住宅ローン控除を受ける場合は、10年以上の借入期間を設定できる住宅ローンを組みましょう。
住宅ローン控除は、新築や中古住宅を購入した費用だけでなく、現在住んでいる住宅に増改築などのリフォーム工事を実施した場合にも適用されます。たとえば増改築を行い、100万円以上の工事費用がかかった場合に対象となります。
対象となる住宅
住宅ローン控除を受けるためには、住宅面での条件も満たさなければなりません。
まず申請者自らが居住していることが条件の1つです。新築の場合は、住宅の引き渡しや工事完了日から半年以内に居住する必要があります。住宅ローン控除は、あくまでも居住を主とする住宅にのみ利用できる制度であることを覚えておきましょう。
住宅自体に関する条件として、床面積の広さにも制限があります。控除の対象となる住宅の床面積は、50平方メートル以上です。住宅の床面積は、不動産登記簿で確認できます。
さらに、対象の住宅が中古で購入した場合は、これらの条件に加えて現行の耐震基準を満たしている必要があります。具体的な条件は、大きく分けて2つです。
- 木造などの耐火建築物以外の住宅は、築年数が20年以内でなければならない。
※鉄筋コンクリート造などの耐火建築物は、築年数が25年以内であることが条件。 - 現行の耐震基準を満たしている住宅であると証明されている
一定の耐震基準に適合していることを証明する書類は、主に以下の3種類です。
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅性能評価書
- 既存住宅売買瑕疵保険
まず国土交通大臣によって定められた耐震基準を満たしていることを示す「耐震基準適合証明書」です。この証明書は、住宅の耐震性能を調査した建築士などによって認められたことを意味します。
次に、耐震等級が1級以上であることを証明する「既存住宅性能評価書」です。
そして、「既存住宅売買瑕疵保険」の加入証明書です。住宅瑕疵担保責任保険法人によって住宅の検査が実施されたうえで、保険への加入が認められたことを示しており、現行の耐震基準を満たしていることが条件となっています。
いずれにしても、住宅の購入に対する減税制度のため、土地購入の場合は適用されません。
住宅ローン控除(減税)の拡充措置についても確認しよう

住宅ローン控除は、原則として10年間適用されることを解説しましたが、一部例外もあります。それは、消費税率の引き上げによって、住宅ローン控除を受けられる年数が3年間延長される拡充措置です。
具体的には、消費税率10%の住宅を購入し、2019年(令和元)10月1日~2020年(令和2)12月31日までに住み始めた人、一定の期間に契約を完了し、2021年(令和3)1月1日~2022年(令和4)12月31日までに住み始めた人が対象です。注意すべき点は指定期間中に住宅購入の契約が完了していること。
新築の注文住宅を購入したケースでは、2020年(令和2)10月1日~2021年(令和3)9月30日までに契約した場合に限り、分譲住宅を購入したケースでは2020年(令和2)12月1日~2021年(令和3)年11月30日までに契約を締結していることが、住宅ローン控除の拡充措置を受ける必須条件です。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響によって、対象の期間中に住み始めることが難しい場合は、一定の期間*までに契約を締結し、2021年(令和3)12月までに居住できれば、拡大措置の対象になります。
※新築の注文住宅の場合は、2020年(令和2)9月末までの契約が条件となっており、分譲住宅の場合は2020年(令和2)11月末までです。
拡充措置を受けると、11年目から控除額が変わります。1~10年目までは最大400万円(10年間)ですが、11~13年目は以下の少ないほうの金額が適用され、最大で80万円が控除されます。
・住宅ローンの年末残高等×1.0%
・建物の取得価格(※1)×2.0%÷3
(※1)一般住宅の場合4,000万円、認定長期優良住宅等の場合5,000万円が上限
拡充措置については、契約や入居開始期間などによって3年間延長されるものの、11年目以降の最大控除額は低くなるということを把握しておきましょう。
住宅ローン控除(減税)でいくら戻ってくるの?
住宅ローン控除の仕組みや拡大措置について把握したところで、実際に住宅ローン控除でどのくらい戻ってくるのでしょうか。ここからは住宅ローン金額の計算方法やシミュレーションについて解説します。ご自身の減税金額の目安を把握する際の参考にしてみてください。
住宅ローン控除(減税)可能額の計算方法
では、具体的な計算方法について解説します。以下の計算式を用いて、実際にいくら控除を受けられるのかを算出できます。
住宅ローン年末残高×控除率(1%)
たとえば、借入額が4,000万円の場合は、上記の計算式にあてはめると「4,000万円×1%」となり、1年間の控除額は最大で40万円であると算出されます。
ただし、必ずしもすべての人が上限の金額が控除されるとは限りません。住宅ローンを返済する度に借入額の残高が減少するため、控除される減税額も低くなります。
また、住宅ローン控除は納めた分の税金が返ってきます。所得税で控除しきれなかった分は住民税から控除されますが、誰もが最大400万円を控除されるわけではないのです。
住宅ローン控除(減税)額の計算シミュレーション1

以下の条件で、住宅ローン控除額を算出してみましょう。
- 借入額:3,000万円
- 金利:固定金利1.1%
- 返済期間:30年
- 所有権:1人
- 建物取得価格:3,500万円
- 住宅種別:長期優良住宅
- 年収:500万円
- 配偶者:あり
- 配偶者を除く扶養家族:0人
- 入居開始時期:2021年5月
1~13年目までの控除額は、以下の表のとおりです。※あくまでもシミュレーションであるため、目安として参考にしてください。
ローン控除年数 | 住宅ローン控除額 |
---|---|
1年目 | 237,000円 |
2年目 | 237,000円 |
3年目 | 237,000円 |
4年目 | 237,000円 |
5年目 | 237,000円 |
6年目 | 237,000円 |
7年目 | 237,000円 |
8年目 | 229,000円 |
9年目 | 220,000円 |
10年目 | 210,000円 |
11年目 | 201,000円 |
12年目 | 191,000円 |
13年目 | 182,000円 |
住宅ローン控除(減税)額の計算シミュレーション2
年収が変わった場合は、控除額がどのように変化するのでしょうか。ここでは、年収が600万円となったケースについてもシミュレーションしてみましょう。※こちらの表も、目安として参考にしてください。
ローン控除年数 | 住宅ローン控除額 |
---|---|
1年目 | 291,000円 |
2年目 | 282,000円 |
3年目 | 274,000円 |
4年目 | 265,000円 |
5年目 | 256,000円 |
6年目 | 247,000円 |
7年目 | 238,000円 |
8年目 | 229,000円 |
9年目 | 220,000円 |
10年目 | 210,000円 |
11年目 | 201,000円 |
12年目 | 191,000円 |
13年目 | 182,000円 |
前述の年収500万円のシミュレーションと比べた場合、1~7年目までの控除額は、年収600万円のシミュレーションのほうが高い傾向にあります。
このように、年収によって所得税や住民税が異なるため、控除可能額が異なるうえに、控除額の上限いっぱいまでもらえないケースもあることがわかります。
住宅ローン控除(減税)で負担を軽減しよう
いかがでしたでしょうか。
今回は、住宅ローン控除の計算方法や住宅ローン控除の仕組みなどについてご紹介しました。
住宅ローン控除を利用すれば、ローンの負担を軽減できます。ただし、いくつかの要件を満たすことが条件になります。
さらに、対象となる人や住宅によって受けられる控除額が異なることから、住宅ローンを多く借りたほうがよいケースもあれば、逆に抑えたほうがよいケースもあります。まずは、自分でもシミュレーションをして資金計画を立ててみましょう。
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