住宅ローン金利の計算方法とは?金利の仕組みから理解して把握しよう!

住宅ローンを組むと、実際に借りた金額に加えて金利を支払う必要があります。中には、どのようにして金利が計算されるのかを把握していない人もいるでしょう。
今回は、住宅ローンの金利タイプや計算方法について解説するので、住宅ローンを検討する際に役立ててください。

金利とは

金利とは、借りたり預けたりした金額に対する利子・利息の割合のことです。利子や利息はお金を借りている期間にかかる手数料のようなもので、お金を借りた側が支払う分を利子、お金を貸した側が受け取る分を利息といいます。
いくら利子を支払うかは「ローン残高×金利」で求められます。たとえば、年3%の金利でローン残高が1,000万円あるとしたら、その年の利子は30万円です。30万円を12ヶ月で割ると、毎月支払うべき利子は2.5万円ということになります。ただし、返済を続けていけばローン残高は減っていくため、利子も徐々に減っていきます。必ずしも月々2.5万円の利子を支払うわけではありません。
なお、住宅ローンの金利タイプには「変動金利型」「固定金利型」「固定金利選択型」の3タイプがあります。それぞれの違いも把握しておきましょう。
住宅ローンの金利タイプ1) 変動金利型
返済期間中に金利が変動するタイプの住宅ローンを、変動金利型といいます。
変動金利型ローンの金利は、日本銀行の政策金利による短期プライムレートを基準とします。金利が低い期間は利子の支払い負担を抑えられるのがメリットですが、将来的に金利が上昇する可能性があります。金利が上昇すれば返済額に占める利子の割合が多くなるため、ローン残高がなかなか減らず、返済負担は大きくなっていくのです。
金利の見直しは半年ごとに行われます。ただし、住宅ローンの返済額の見直しは5年ごとと決められているため、金利が上がっても即座に返済に影響するわけではありません。また、返済額の増加は1.25倍までと上限が決められています。これらを踏まえ、変動金利型を選択する場合は、金利が上昇しても無理のない返済ができるような資金計画を立てることが大切です。
住宅ローンの金利タイプ2) 固定金利型
固定金利型とは、返済期間中の金利が固定されるタイプの住宅ローンです。10年満期の国債の利回りが基準となり、変動金利型と比較すると高めの金利設定となります。ただし、借入時の金利で固定されるため、市場の金利が上昇したとしても返済額に影響する心配がありません。また、借入をした時点で総返済額が把握できるため、返済計画が立てやすいのがメリットです。
しかしながら、金利の下降が続く場合は高い利子を支払い続けることになってしまいます。状況によっては、より低金利のローンへの借り換えを考える必要があるかもしれません。
住宅ローンの金利タイプ3) 固定金利選択型
契約後の一定期間は固定金利型、期間終了後に改めて金利タイプを選べるのが固定金利選択型です。設けられている期間は3年・5年・7年・10年など、金融機関によって異なります。「金利の変動に不安を感じるが、利子の支払い負担はなるべく抑えたい」という人におすすめの金利タイプです。なお、一般的には固定金利の期間が短いほど金利は低くなります。
固定期間終了は変動金利型に切り替えるか、固定金利型を継続することになります。ただし、自動的に変動金利に切り替えられ、固定金利型を選択できないローン商品もあることに注意してください。その場合は変動金利型と同じく、金利上昇のリスクがあることや返済計画が立てにくいことがデメリットとなります。
住宅ローンの金利相場などについてはこちらの記事もおすすめです。
住宅ローンの返済方法

金利タイプのほか、返済方法についても契約時に選択できます。住宅ローンの返済方法は、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類です。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選ぶようにしてください。
元利均等返済とは
元利均等返済は月々の返済を一定額にする方法です。返済スタート時から支払う金額が変わらないので、家計管理がしやすいのがメリットです。
しかしながら、借入元金がなかなか減らず、最終的な返済総額は元金均等返済と比べて多くなりがちです。同じ金額を支払っていても、ローン残高が多いうちは利子の割合が多くなってしまうためです。返済総額を抑えるには、こまめに繰り上げ返済を行って早めにローン残高を減らすことが大切です。
元金均等返済とは
元金均等返済は、元金の返済額を一定にして利息分を加えて返済していく方法です。元金が早く減っていくため、返済が進むたびに利子も少なくなり、月々の返済負担は軽くなっていきます。定年退職後もローンの返済が続く場合や、子どもの大学進学時に合わせて住宅ローンの負担を少なくしたい場合などにおすすめの返済方法です。
ただし、返済当初の返済額が大きくなるため、収入によっては融資が受けられない可能性があります。元金均等返済を選択する場合は、頭金を多めに入れて借入額を少なくするとよいでしょう。また、元金均等返済ができる金融機関も限られている点もデメリットです。
元利均等返済と元金均等返済の支払額の違い
元利均等返済と元金均等返済でどのくらい返済額が異なるのか、同じ条件でシミュレーションすると、次のようになります。
- 借入金額:5,000万円
- ローン借入期間:30年
- 金利タイプ:固定金利
金利率 | 返済カテゴリ | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
---|---|---|---|
0.6% | 月額 | 151,798円 | 163,888円 |
0.6% | 総額 | 54,647,191円 | 54,512,353円 |
1.6% | 月額 | 174,969円 | 205,554円 |
1.6% | 総額 | 62,988,846円 | 62,033,230円 |
毎月の返済額は元金均等返済が多めですが、元金が早く減っていくため利子の負担が少なく、最終的な総返済額は少なくなります。金利が高くなるほど元利均等返済との差は大きくなり、金利1.6%の場合は総返済額に100万円近い違いが出ることがわかります。
住宅ローンの金利の計算方法

住宅ローンの金利タイプや返済方法がわかったところで、どのくらいの利子がかかるのかを計算してみましょう。元利均等返済と元金均等返済とでは計算式が異なります。計算式と例を紹介しますので、試してみてください。
元利均等返済の計算方法
元利均等返済の場合、月々の返済額を求める計算式は以下のとおりです。
・月返済額={借入金額×月利×(1+月利)返済回数)}÷{(1+月利)返済回数-1}
まず、金利は1年間にかかる割合で表示されているため、年利を12で割って月利を求めます。たとえば、借入金額2,000万円、借入期間20年、金利1.2%という条件なら、次のように計算します。
- 月利:0.012÷12=0.001
- 返済回数:20年×12ヶ月=240
- 毎月返済額:{2,000万円×0.001×(1+0.001)240}÷{(1+0.001)240-1}≒94,000円
なお、返済1回目の元金分と利子分はそれぞれ次のようになります。
- 利子分:2,000万円×0.001=20,000円
- 元金分:94,000円-20,000円=74,000円
元金均等返済の計算方法
元金均等返済では、次のようにして月の返済額を計算します。
・月返済額=(借入金額÷返済回数)+(借入残高×利率×日数/365)
元金均等返済は毎月決まった額の元金を返済していく方法です。元金の返済額を求めたあと利子部分を加算すれば、その月の返済額がわかります。借入金額2,000万円、借入期間20年、金利1.2%という条件で試算してみましょう。
- 元金返済額:2,000万円÷240回≒83,300円
- 返済1回目の利子分:2,000万円×0.012×30日÷365日≒19,700円
- 1回目の返済額:83,300円+19,700円=103,000円
2回目は次のように計算します。
- 借入残高:2,000万円-83,300円=19,916,700円
- 返済2回目の利子分:19,916,700円×0.012×30日÷365日≒19,644円
- 1回目の返済額:83,300円+19,644円=102,944円
このように3回目以降も計算していくと、どのくらい金利を支払っているのかがわかります。
住宅ローンの計算はシミュレーションでも可能
いかがでしたでしょうか。
今回は、住宅ローンの金利タイプや計算方法についてを紹介しました。
こちらのシュミレーションサイトなどを利用すれば、住宅ローンの返済金額が簡単にシミュレーションできます。自分で計算する手間がかからず便利ですが、仕組みを理解していれば返済計画を立てるときや借り換えを検討するときなどにより役立ちます。
住宅ローンは借入金額が大きくなるため、慎重に検討することが大切です。自己資金やライフプランによって、選ぶべき住宅ローンの金利プランや返済方法は異なります。
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